てくにゃんあつめのこれまでとこれから

この記事は,SYSKEN Advent Calendar 2018 の2日目の記事です.

ふぃらっはです.最近やたら寒いですね.

さて,今年も SYSKEN Advent Calendar が始まって参りました.2日目の当記事では,私が3年間にわたって細く長く開発し続けているゲーム,「てくにゃんあつめ」について語ろうと思います.

目次

  1. てくにゃんあつめとは
  2. てくにゃんあつめのこれまで
  3. てくにゃんあつめ人気の秘訣
  4. てくにゃんあつめのこれから
  5. おわりに

1. てくにゃんあつめとは

もともと,私が1年生のとき,津山高専の文化祭である弥生祭へ出展するため制作したゲームです.素材やらなんやらの点で GLaTAN くんの協力を得ています.飛んでくるてくにゃんを,画面下のバーを動かしてキャッチし,得点を競うという単純なものです.基本的に Java を使っており,ネイティブの awt / swing というライブラリを使って描写しています.

2. てくにゃんあつめのこれまで

2.1 2016年

1年生の夏休み頃,「弥生祭にゲームを出しませんか??」みたいな募集がありました.ちょうど何かまとまったものを作ってみたいと思っていたので,アイデアもないままとりあえずそれに応募し,9月末くらいから開発に取り掛かりました.
当初は「チャリ走」のような走りゲーを作るつもりで,実際に途中まで開発していました.しかし,テストプレイしてみて「なんかつまらんな」と感じたのと,1年生の物理で習ったばかりの斜方投射運動を使いたくなったのとから,「斜方投射されるてくにゃんをキャッチするゲーム」に方針転換しました.
方針転換したのはだいたい10月のはじめごろだったと記憶しています.弥生祭が11月初頭にあることを思えばずいぶんのんびりしていますね.

その後,ちょこちょこ開発していき,なんとかモノになったので弥生祭に出展しました.この年の弥生祭は,やたらとスゴい作品 がひしめいており,勝てないなと思っていたんですが,驚くべきことに参加者投票で1位を頂きました.勝因(?)については後で述べようと思います.

当時のスクリーンショットです.取りそこねたてくにゃんが底に溜まるという謎仕様でした.

2.2 2017年

2年生に進級して迎えた,2度目の弥生祭ですね.この年,弥生祭当日にパソコン甲子園の本選が被っていて,残念ながら弥生祭の現場にいることはできませんでした(当日は GLaTAN くんがいろいろやってくれました).パソコン甲子園に向けた対策などもあって忙しかったので,てくにゃんあつめにあまり大々的な改良は加えられていません.

とは言え,いくつか改良した点があります.まず,てくにゃんのイラストがなんとなく新しくなりました.画像を見比べてもらえればわかると思います.ニッコリ笑顔になっていますね.

信じられないことですが,最初期のてくにゃんあつめは,透過されてないてくにゃんが存在する有様でした.

また,待望の(?)ランキング機能を搭載しました.これにより,今まで存在しないも同然だったゲーム性がようやく発生したかなと(個人的には)思っています.

最後に,フィーバーモードを搭載しました.これは,まれに降ってくる紫てくにゃんをキャッチすることで,数秒間てくにゃんの量が増えたり点数がアップしたりするものです.背景にフィーバー感のあるアニメーションを表示するようにしましたが,「目が疲れる」「酔う」といった否定的な意見もありました.この辺は改良の余地だと思います.

 

2.3 2018年

そろそろてくにゃんあつめのスパゲッティなコードを管理するのも大変になってきたので,春休みごろ重い腰を上げてリファクタリングに取り掛かりました.まず,開発環境を Eclipse から IntelliJ IDEA に移し,Git によるバージョン管理を(今更)はじめました.Gradle を導入し,ユニットテストを書き,コードの静的解析を利用し,CI を使うようにもしました.この辺りは,慣れているてくにゃんあつめをコテに,周辺ツールの学習を進めようという意図もあります.

また,この際だからといくつかの機能を追加で実装しました.BGM とか,効果音とか,画面遷移アニメーションとか(なんで今まで無かったのか,というぐらい基本的な機能ではあります).

で,凝りもせず弥生祭に出展しました.今年は現場にずっといたので,たくさんの方がてくにゃんあつめをプレイされているところを実際に見られました.やっぱり,自分の作ったゲームを楽しんでもらえているところを生で見ると,嬉しいものがありますね

と,いう感じで,てくにゃんあつめは3年間歩んできました.

3. てくにゃんあつめ人気の秘訣

3回の弥生祭を通じて,てくにゃんあつめは人気投票1位をキープしてきました.その理由についてちょっと考察しておこうと思います.後輩たちの参考になるかもしれません.

正直なところを言うと,てくにゃんあつめのクオリティはそこまで良くないです.グラフィックも操作性も優れたゲームが他にたくさん出展されていました.にも関わらず,てくにゃんあつめが人気投票で1位を取り続けている理由は,弥生祭展示の性質にあると思います.
弥生祭は,学外からたくさんの方が来られるイベントです.地域の幼稚園/保育園児,小学生,親御さん,高齢の方まで,幅広い年齢の方が来られます.その中で,普段からゲームをバリバリやっているような人は少ないです.

そのため,弥生祭に出すゲームには,

  • ポップな,明るい感じの雰囲気
  • 説明書を読まなくても理解できる,簡単なルール
  • 簡単すぎず難しすぎない,ちょうどいい難易度
  • プレイ時間の短さ

などが要求されます.最後の項目については,弥生祭の来客がシス研だけを目当てに来ているわけではないこと(=他の展示も見て回ること)を考えると特に大事だと思います.

てくにゃんあつめは,そうした条件をうまいこと満たしたゲームに(意図せずして)仕上がったんだと考えています.なので仮に,PC やスマホの一般的なゲームとして出したり,コンフェスなどの別イベントに出したりしても,あまり人気は得られないでしょう.

4. てくにゃんあつめのこれから

てくにゃんあつめの今後については,正直なところ未定です.というのも,ずっと人気投票1位ばかり取るのは不健全な気がするからです(後輩たちのモチベーションのためにも).来年以降の弥生祭に出すかどうかは,今後じっくり考えて決めていきたいと思います.

とはいえ,開発そのものは続けていきたいです.未だにコードが汚く,どうしようもない処理もたくさんあるので,こつこつリファクタリングしつつ,よさげな機能を実装していきたいです.現時点では,

  • タイトル画面にプレイデモを表示する
  • アイテム(てくにゃんをキャッチするバーを大きくしたり,てくにゃんの量を増やしたりするなど)を出現させる
  • 描画エンジンを変えて,動作を軽くする
  • いまだに貧弱なグラフィックをなんとかする

などを考えています.全部を実装するかどうかはわかりません.たとえば,アイテムを出現させると,てくにゃんあつめの良さである「簡単さ・単純さ」が失われる可能性もあります.

5. おわりに

というわけで,てくにゃんあつめについて長々と語ってきました.今年の弥生祭では,去年からのリピーターや,貼り付いてハイスコア更新を狙うガチ勢なんかも出現しており,開発者冥利に尽きるという感じです.今後も,たくさんの人に楽しんでいただけるようなゲームを目指して頑張っていきたいと思います.

長文でしたが,お読みいただきありがとうございました.明日はてくにゃんあつめの共同開発者でもある GLaTAN くんが記事を書いてくれます.お楽しみに.


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