どうも、部長からだいぶ前に退いたJunです。
先日歌唱部と吹奏楽部の定期演奏会の撮影・録音をしたのでそれらについての技術継承も兼ねた備忘録をつらつらと書きます。一抹も興味がわかない人はこれを見るより別のことをしたほうが時間を有意義に使えます。
演奏会の動画制作においての主なステップは次の3つです。
- セッティング
- 撮影・録音
- 編集
今回使う道具やソフトは次の通り。
撮影機器
- Apple iPhone12mini
- Apple iPhone7
- SONY FDR-AX45A
- DJI OSMO POCKET
録音機器
- ZOOM R16
- TASCOMのレコーダー
- MacBook Pro
- Behringer C-2(1ペア)
- 部室に転がってたダイナミックマイク x4
- 部室に転がってたコンデンサーマイク
- 教員から借りたSONYのコンデンサーマイク x4
録音ソフト
- Adobe Audition 2023
編集ソフト
- Adobe Premiere Pro 2023
- Adobe Audition 2023
- Adobe After Effects 2023
- Adobe Photoshop 2023
- Adobe Illustrator 2023
- Adobe Media Encoder 2023
セッティング
動画を作る上でセッティングがゴミカスだとベースの素材がクソになるのでそれなりにちゃんとする必要があります。
去年から動画の音声を5.1chでリリースしているのでそのために今年は7本のマイクを使用しました。昨年は6本のマイクだったんですが、響きが物足りないというお姫様がおられたので今年は客席側に向けて1本増設しました。
歌唱と吹奏では歌手・奏者の位置が大きく違うのでそれに合わせてマイクの配置も変える必要があります。
歌唱の録音ではダイナミックマイクをボーカル用に、C-2をピアノ用に使用しています。
去年はボーカル用のマイクを4本並べていたんですが、客席に向けたマイクを増やしたことでケーブルが足りなくなったのでボーカルのマイクを3本に減らしました。どうせ5.1chにミックスダウンする時は正面には3つしかスピーカーないのでいいでしょう。
ピアノ用のマイクにC-2を置いています。コンデンサーマイクなので非常に綺麗に音が取れるんですが、今年は去年に比べて色々雑だったせいでピアノとの距離が近くなり過ぎましたね。近すぎると何が起こるかとピアノの中で響く音が入りにくなります。一応ボーカルマイクもピアノの音を拾っているのでそこで響きの部分はカバーできるんですが綺麗に録れる残したことはないのでもう5cmくらい上に上げても良かったかもしれません。
ボーカルマイクですが、あまりそれぞれを近づけすぎるとミックスダウンした際にモノラル寄りになってしまうのである程度離すことが臨場感を出すコツではないでしょうか。僕の場合は左右の一番端の人から1mくらい中心に寄せたところに置くようにしています。ここは個人の裁量で構わないと思います。
編集した後に感じたんですが、ボーカルマイクが4本だった去年に比べて3本だった今年の方がなんかいい感じがするのは気のせいでしょうかね。
吹奏の録音はメインの録音マイクとしてC-2をセンターに、音の定位感を増すための補助としてダイナミックマイクをステージの四方に配置しています。
去年は吹奏楽部の部員が少なかったため楽器が少なく指揮台の後ろに余裕があったのでそこにマイクスタンドを立ててC-2を1本のマイクスタンドにセットしていたんですが、今年は思いの外狭かったのでC-2を2本のマイクスタンドに分けて配置しました。吹奏の方のマイクの配置は去年からさほど変化していません。
反省点としては客席寄りのダイナミックマイクとC-2のスタンドを逆にすれば良かったかもしれないとこですね。メインマイクはある程度楽器から離れていた方が全体のハーモニーをいい感じに撮れるんですが、今年は背が高くない方のスタンドを使ってしまったので少々近くなってしまいました。
それから客席寄りのダイナミックマイクをもう少し左右に広げても良かったかもしれません。スタンドのせいもあるかもしれませんが思ったよりピアノの音が入っていませんでした。
カメラの配置についてはセンターに1つ、左右に寄りのカメラを1つずつ、フリーなカメラを1つの計4台を置いています。吹奏の時はフリーのをステージ後方に置きました。
できることならホワイトバランスの統一とか明るさの設定をした方がいいんですが、今回は全てオートに任せています。
撮影・録音
セッティングが終わったらあとは本番の撮影です。カメラは人が動かすカメラ以外は録音ボタンを押したら放置です。今回の動画は全編30p(もしくは60i)で撮影しているんですが、fpsが高くない動画でカメラを下手に動かすと見栄えが悪くなったり寄ったりするので動かすのは最低限、もしくはゆっくりにしましょう。
MCのとこで白飛びしたのはやらかしポイントの一つですね。
センターのカメラが途中で高温になって撮影が止まったところとアンサンブルの時にフリーの寄りカメラの録音ボタンと間違えて静止画の撮影ボタンを押したのもやらかしです。(そのせいでアンサンブルの時だけ4台あるカメラのうち2台しか機能していない)
録音についてですが、ダイナミックマイクはホワイトノイズが乗りやすい特性があるのでミキサーで割と丁寧に気遣ってやる必要があります。ノイズよりも怖いのは音割れです。割れるとそこの音の情報がクソでが音量という情報以外ほぼなくなるので音割れしないようにレコーダーの音量を気をつけましょう。(ホワイトノイズを避ける音量にすると自然と音量が下がるので音割れすることはほぼないと思うが)
トラックの音量ですが、歌唱であればボーカル同士やピアノ同士、吹奏であればメイン同士とサブ同士など同じ役回りのマイクはできるだけ同じ音量になるようにしてください。編集の時に泣きを見ます。
それから録音が始まったらよほどのことがない限り音量はいじらないようにしましょう。
別々の機材(レコーダーとPCとか)で録音をする場合は音合わせの手間を減らすために録音・録画を始めたら手を叩くとかで合図を入れておきましょう。頭で入れ忘れた最後に。(映画の撮影とかで見るカッチンはそれ)
編集
さて、ここまでがつつがなく終えれたなら残るは編集です。
まずは素材の時間を合わせるんですが、マルチトラックレコーダー(ZOOM R16)で録音をした場合は録音のタイミングが全部揃っているので気にせず5.1chにミックスダウンしましょう。(ここで一つのシーケンス)
音の配置は設置したマイクの位置に沿うようにすれば設置がうまくいっている場合大きな問題に当たることはないでしょう。
C-2は2つで1ペアとして考えているため、同じ位置に配置しています。(若干角度は違う)
歌唱の時、ピアノの音だけは音の定位感が強いと試聴の妨げになるため元の位置を無視してセンターに配置しています。ボーカルは横並びで中心よりやや前方に置いています。
ここでできた5.1chのシーケンスと撮影したカメラのデータを使ってまるマルチカメラソースシーケンスを作ります。今回はPremiereを使っていますが、DaVinci Resolveとかにもあると思います。
今回は全ての撮影データに音声があるため波形を自動で合わせてもらう設定にするとソフト側が同じ音が鳴っているタイミングに合わせてマルチカメラクリップを作ってくれます。これを追加で作ったシーケンスに投げ込むことでいいタイミングで画面をぽちぽちするだけでカメラを切り替えることができるようになります。ここの編集は編集者のセンスですね。
今回iPhone12miniがDolby Visionで撮影していたためHDRの映像になっています。iPhoneのDolby Visionの映像は10ビットで表現されています。他のカメラは通常のSDR映像であるため8ビットで表現されています。ここで差が出てしまうためHDRで撮影した映像をSDRにする時にはSDR最適化の処理を必ず行うようにしましょう。これを怠ると白飛びした映像が出来上がってしまします。
最後に書き出します。書き出す設定は下に示したものを参考にしてください。
今回制作した動画のフォーマットです。
定期演奏会の動画制作の主な内容はこれくらいですね。部員や他の人から質問や指摘があれば追記をするかもしれません。
ぜひ定期演奏会の動画見てくださいね。
過去の作品も良ければ参考に。
あれ? SONYのコンデンサーマイクはどこにいったのかって? 僕のコンフェスのネタになりました。
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